給油時の静電気パチパチにご用心

静電気パチパチッ！いたたっ！

乾燥した静電気の季節はセルフガソリンスタンドの給油が怖く感じてしまいます。

　「静電気除去シートに触れてから給油を開始してください」と、セルフのガソリンスタンドで給油のたびにアナウンスがあります。日常になりすぎて面倒だからしていない……という方も多いのではないでしょうか。静電気で引火する可能性を知ってはいても、まあ大丈夫だろう、と考えがちです。でもそれは危険ですよ！

ガソリンはどれほど危険なの？

 　　これまで静電気が原因と思われるガソリンスタンドでの火災の事例がいくつかあります。ガソリンは気体になりやすく、引火しやすいことは忘れてはいけません。給油口のキャップを開けた時や給油中に、ツ～ンとする臭いがしてきます。あれこそが、気体となったガソリンです。つまり、目には見えなくても、ガソリンは、あなたの体のすぐそばまで来ているのです。

 　　ガソリンの引火点はなんと、-40℃以下。つまり、真冬のどんなに寒い日でも、静電気やたばこなど、小さな火種さえあれば、すぐに引火します。気体となったガソリンが漂っているところへ、「バチッ」と静電気が起きたら「ボンッ」と火が燃え上ってしまうのです。

静電気は体にたまる

　　ドライバーは、クルマから降りる際に、シートと衣類が擦れることで静電気を帯びやすい状況にあり、給油ノズルを触るまで放電の機会がないこともあります。しっかり除去するには必ずタッチして電気を逃がすことが必要なのです。　　　

　　冬は、フリースを着ているとパチパチッてなりませんか？冬はアクリルやナイロンなどの合成繊維の素材のものを着る機会も多く、さらに重ね着もするため、少し動くだけでも服がこすれて、徐々に静電気をためてしまいます。給油前にその静電気をなくす必要があるのです。

　　静電気除去用のキーホルダーはどうなの？　携帯することをお勧めします。体にたまった静電気を放電してくれます。でも静電気除去キーホルダーは、身に着けているだけで効果を発揮するわけではありません。チャームを手でしっかり握って、ドアノブなど金属部分に接触させる必要があります。詳しくは取説を見て正しく使ってください。でも、除去シートに触れなくてもいいとは考えずに必ずタッチしましょう。

 金属製ではないのに電気を逃がせるの？

　　静電気除去シートは金属製でもないのに電気を逃がしてくれるのでしょうか。このシートはゴムを「基材」にしていて、その中に電導性の紛体が混ぜ込まれてあるのです。樹脂製であれば伝導体の糸が織り込まれています。アースの入り口になっているので手で触れると穏やかに体の電気を吸収し放電してくれるのです。現在は、給油ノズルに静電気を逃がす仕組みが施されるなど、対策が進んでおり、セルフスタンドにおける静電気火災は減少しています。しかし、ガソリンが危険物であることに変わりはありません。

一番安全な方法はどれ？

　　給油前、静電気除去シートに必ず触れましょう。省略してはいけません。静電気をためやすい体質の方はなおのこと忘れないでくださいね。